先週末に首都に全ての荷物と引き上げ、今週はびっしりオフィシャル業務。
月:帰国報告会
火:財務省 表敬訪問
水:保健省 表敬訪問
木:日本大使館 表敬訪問
金:ガーナJICA事務所長面談
土:送別会
で、来週月曜日に出国です。
報告会は自分のためにも必要だと思うし、同期がどんな活動をしてきたのかも知れる良い機会。表敬訪問では、日本で言う省庁官僚の皆様に自分がどんな活動をしてきたのかを英語でスピーチをする。
青年海外協力隊はODA(政府開発援助)の一環なので、こういうお役所的な事も、国交を良好に保つためにも必要なんだろうと思う。2年間、税金で活動させてもらったので、これくらいの義務は仕方ない…と腹をくくって、毎日緊張してます。
ガーナ料理も食べおさめです。
私の好きなガーナ料理TOP3に入るバンクー
でも、早く終わってほしー…
ついに2年間住んだ任地Nkawieを去る日が来た。
蛍も見られる任地でした^^
この1週間はいろんな場所で、きっともう2度と会うことがない人達とサヨナラをしてきた。でも、あんまりまだ実感が湧かない。なんとなく寂しい気もするが、涙が出る!っていう程でもない^^;
いつの間にか、ここでの日常が私の日常になっていた。
日常から離れるということを頭では認識していても、いざ変わってみないと気持ちは付いていかないんだろうか?
配属先Ghana Health Serviceのスタッフと
ホストファミリーと
いろんな事を体験させてくれたこの場所。
涙もあり、笑いもありだったけど、今、「楽しかったけど、辛かった」ではなく、「辛かったけど、楽しかった」と言える。
昨年11月末に「小さなハートプロジェクト」より支援を頂いてから、約6か月をかけて、グラスカッター飼育販売プロジェクトの準備をしてきた。全11匹購入したうち、残念なことに2匹が事故により死亡してしまったが、新しい命も生まれた。今、まだもう1匹が妊娠中であり、今後さらにプロジェクトの拡大が期待される。「小さなハートプロジェクト」を通じて頂いた約2700$は、グラスカッタープロジェクトを中心にマイクロファイナンスの実施や子ども達への食糧、教育本などで全て使わせてもらったので、「小さなハートプロジェクト」自体はこれで終了となる。NGOの活動を支えてくれた援助者に感謝の意を表したい.。
NGOとしては、これからがスタートライン。グラスカッタープロジェクトを末永く継続し、NGO活動の更なる充実、拡大が期待される。日本の援助者から頂いた支援を無駄にせず、頑張ってほしい。私に残せるものは残したつもりだし、ガーナと日本は遠いが、これからもやり取りは続けていきたいと思っている。
先日NGOのスタッフが私の送別会を開いてくれた。
サッカーやゲームをして楽しみ、
ちょっとでも栄養のあるものを…ということで、ランチにガーナ料理「エモ&シチュー」を手作りし、モリンガ(とても栄養価が高く、今注目されている)も混ぜた。
やっぱりスゴイ炭水化物の量です・・・太るのも納得。。
みんなの夢の生る木を作成。警察官、ナース、銀行員、億万長者という子も…^^;
配属先以上に、スタッフと濃い関係を築けたと思うNGO「Nothing Pass God Foundation」
皆に出会えて、本当に良かったです。
ガーナに2年も住んでおきながら、ガーナ料理は友人宅やチョップバーで食べさせてもらったり、外で買ってきて食べるだけで、自分では作ったことがなかった私。。
料理をしてないわけじゃない。っていうか、外食する所なんてないから、朝夕は自宅で食べてるけれど、オイリーなガーナ料理をわざわざ家でも作る気がしなくて、家ではもっぱら日本食(もどき?)を作っていた。でも、やっぱ1つくらいは出来るようになっとかなきゃね…ということで、一番好きなガーナ料理「Nkontomireシチュー」を教えてもらい、こないだ遂に自分でもクッキング☆
Nkontomire(コントミレ、コントムリ…人によって呼び方が違う)とは、ココヤムの葉っぱ。サトイモの葉に似ている。
コントミレ パーム椰子の実
**レシピ**
①パームオイル(パーム椰子からとれる油)を熱し、玉ねぎ、トマト、魚、茹でたコントミレを順に入れていく。
②水は一切加えず、パームオイルで煮る。
※ここがポイント!ガーナ料理は実に大量の油を使う。だから、皆ぶくぶく大きくなっていく…
③こんなに煮たら栄養素は壊れるだろうな~っていうくらい、ひたすら煮る。
これもガーナ料理に共通しているところ。
④溶き卵を入れて、混ぜる。
⑤最後に塩で味付けし、完成!!
ぺぺ(唐辛子)が入っていないガーナ料理は無いが、私は辛いのがあまり好きじゃないので、自前料理には入れず。とっても簡単なレシピなので、初めてでもおいしく出来ました♪日本でも作ってみたいけど、材料あるのかな…
2年間、私の活動の中心となってきた妊婦健診。
聴診や触診など妊婦健診を手伝いながら、妊婦にHIV&AIDSの情報を伝え、検査を勧めること、カウンセラーの意欲を高めること、プライバシーに配慮すること、HIV陽性妊婦のその後のフォローをすること等を行ってきた。しかし、どれも十分にやれたとは言い難い。言語の不自由、スキルの不足、価値観の違いという壁など、ここで成果を残すためには私には足りないものがたくさんあった。そんな様々な要因が絡み合って、自分が諦めてしまったり、相手が逃げてしまったりと、スムーズにはいかなかった。1人の意識を変えることなら、まだ簡単。しかし、その1人が集団に属しているから難しい。改善点を配属先に提示したり、耳を傾けてくれる人に訴える等していると、個人的に共感を示してくれる人はいた。しかし、個人の賛同は得られても、集団の意識を変えるのは難しかった。そのために何をどうしたら良いかは、私には分からなかった。
HIV検査についてまとめたもの
妊婦健診の場で、任期後半はマンパワーとしての役割を果たすことが多くなり、それにより助産師との信頼関係は構築されつつあったと思うが、結局それ以上に踏み込むことはできなかった。自分がまた集団から遠い存在になってしまうのが怖かったのだと思う。きっと、これが外国人ボランティアという特権を生かしきれなかった一番の理由かなと思う。
トラウベと呼ばれる器具で胎児の心音などを聴診中
ただ要請内容に関係なく、私自身としてはたくさんの妊婦さんと対面し、彼女達を通して母親の、人間のたくましさを知り、お腹の中のまだこの世に誕生していない命に触れられる喜びを感じられるこの活動は楽しく、これからの私の方向性を見つけるために大切な活動だったと思う。
ガーナと言えば?と聞けば、9割くらいの人はチョコレートと答えるんじゃないかと思う。「Ghana」という名のチョコレートがあるくらい、ガーナのカカオは有名。
でもカカオがどんなものか知ってる人は少ないのでは??私自身、チョコの原料「カカオ」とはカカオの実で、きっとチョコレートの風味がするんだ☆と思ってた。
↓これがカカオの実。
中には種(これがいわゆるカカオ豆)がたくさん詰まっていて、その周りを実が包んでいる。実は白色で、チョコのように茶色でもなければ、チョコレート味もしない。カカオもフルーツの一種。オレンジのように甘酸っぱい味がする。
実は、日本が輸入しているカカオとはカカオの種のこと。カカオの実から取り出した種を発酵させ、天日干しで乾燥させたものがチョコレートの原料となる。村に行くと、そこら中でカカオの種を干しているので、発酵した少し酸っぱい臭いがする。
カカオの実は子ども達のおやつ。
カカオの種がチョコレートになることを知っている子どもは少ないんじゃないかなぁと思う。ガーナに実際住んでみると、日本のドキュメンタリー番組でよくやっている様な「カカオ農園の児童労働」のような問題が、こちらでそれほど深刻視されているとは思えない。テレビ番組はホント人の心をうまく揺さぶるように作られているとは思う。(注:児童労働がないわけではない。子どもが家族の一員として農場で働くことはこちらの生活の一部になっているように感じられるだけ。そして農園が広がるような村では学校が無かったりするから、通わせてもらえないというのは語弊がある気がするだけ。)でも、ガーナのカカオ農園で働く人々がチョコレートの味を知らないかもっていうのは有り得る話だと思う。板チョコくらいのチョコレートを買うには、町に行かないといけないし、ご飯一食分のお金がいる。
ガーナには、エイズ対策に関するJICA技術プロジェクトが入っている。協力隊事業とは別物なのだが、同じ場所で同じ問題に取り組むということで、時には連携したりもする。このプロジェクトは2年がかりのもので、今年9月で終了する予定。
先週、プロジェクトの一環として、Ghana Health Serviceのスタッフを対象に、思春期保健に関するワークショップが行われた。今まで、プロジェクトと隊員の連携の仕方について疑問を抱くところが大きく、それほど活動の中で関わってこなかった。でも私にとって、これが最後のプロジェクトに関わる機会なので、1日だけワークショップに参加してみた。
やっている内容は、日本で私が勉強するような内容と大差なく、内容はしっかりしていた。スタッフが知識を持つのは大切。問題は、それを実現できるのか。毎日の業務の中で実践できるのか。ワークショップの中でだけ、一生懸命考え、素晴らしい発表をしても、それが現場で実行されなければ意味がない。
私が日頃からよく思うこと。
ガーナ人の医療スタッフには学ぶ機会はある。ガーナ人はワークショップというものが大好きで(もちろんランチとお金がもらえる)、役職が高くなればなるほど、しょっちゅういろんなワークショップに出かけている。ただワークショップで学んできた成果を実践する場所がない、方法がない。お金不足やスタッフ不足、その他ソフト面、ハード面からの様々な問題が現存している。やる気のある個人が頑張っても、なかなか大きな組織を変えるのは難しい。ジレンマ、そして諦め。or最初から答えの見えている努力はしない。
現場レベルの人を鍛えることを否定しているわけではない。それもとても重要だと思う。草の根から変わることだってあるだろう。でも今のガーナは、根を張らせて、果実を実らせるための土壌と水がないと思う。それを言ったら終わりだよね…って言う人もいる。じゃあ、何をゴールに日本は援助を続けているのか?なぜ果実を実らせるための援助をしないのか?援助については、いろんな考え方があるし、どうやったって一長一短はある。そして私ごときがどうしたら良いなんていうことは言えないのだが、、いろんな矛盾を感じて勝手にモンモンしていた1日だった。