①IUD(ドラッグユーザー):ハームリダクションについて
②母子感染
③エイズ孤児
の3つに焦点を当てて実施。
どれもこれも、難しい問題。でもエイズを考える上で無視してはおけない問題。
エイズに関しては、常に情報が流動的なので、自分で意識してアンテナを張り巡らしておく必要がある。
今日もJohnが新しいニュースを教えてくれた。
WHOがエイズに関する方針を変えたそうだ。今まではVCTをはじめとして、自ら検査を受けたいと希望した人のみ検査を受けるという体制だったが、今後は医療機関等で積極的にHIV検査を受けるよう勧めていくという方針に変えようとしている、ということ。かなり大きな方針転換だと思う。
良きにも悪きにも、どちらにも影響は出るだろう。世界が決めた方針の中で(所属機関のポリシーにも大きく影響されるやろうけど)、自分がどのようなポリシーを持って活動していくか・・・
今、漠然と、自分はこういう風に活動したいってのはある。今後、これがもっと明確になってくるといいんやけど。
今日のテーマは「HIV治療薬について」
抗HIV薬はとても高価なものである。日本では約20万円/月かかるという。(日本の場合、HIV陽性者は身体障害者手帳を持つことができるため、実際の負担額は1割)
しかしHIV感染のハイリスクグループとなる人達は貧しい人が多いのが現実であり、現在発展途上国において抗HIV薬を服薬できているのは全体の28%にとどまる。
一刻も早いジェネリック薬品の開発を望みたいところだが、アメリカや日本など先進国と途上国の間で知的所有権などの問題が生じ、なかなか開発が進まない。2001年、WTOによってエイズ治療と知的所有権の両立という措置がとられたが、それでも薬を本当に欲している人の元へはなかなか届かない現状である。
とても難しい。
抗HIV薬は毎日決まった時間に飲み続けなければ意味がない。統計で、正しく服用率95%でも患者の10%は効果がない、服用率80%以下では87%に効果がないと出ているらしい。それくらいアドヒアランスが大切になってくる。
日本にいたって、ここまできっちり内服していくのは大変だと思う。それが、発展途上国でいかに大変なことかは想像に難くない。患者本人に飲む気があったとしても、まず薬が不足している、薬を処方できる人材がいない、病院まで遠すぎる、病院に行くために仕事を休まなければならない等々、とてもたくさんの問題が存在する。
でもエイズを完治させる治療法はまだない。
いかにアドヒアランスを保ち続けられる支援をするか。これもまた1つの大きな課題である。
この日のために、かなりの時間を準備に費やしてきた。時に、皆で終わりのなかなか見えない討論をし、日曜日は朝6時に起きて使用物品の作成にあたり、予行練習も何回も行った。
エイズ対策隊員の中のマスコミ関係者が企画した"Rubber Angel"というユニットを結成し、看護師免許を持つ3人で前座の歌とダンスを披露。替え歌の歌詞やオリジナルダンスまで作成され、もうやらねばならぬ状態へ。しかしなかなか楽しかった、これが。
1.感染拡大ゲーム
2.リスク順に感染ルートの並べ替え
3.コンドーム装着手順
グループに分かれてワークショップを実施し、私も1つのグループのファシリテーターを務めた。
やってみて、思ったこと。
皆やっぱりホントに基礎的な部分の知識は持っている。が、昔なんとなく習ったような・・・という感じで、感染リスクが高いわけではないが、まったく感染しないとは言い切れないグレーゾーンに入る行為に関しては、意見が別れる。確かに、リスクには高低が存在するが、低いからと言って自分は感染しない!というわけではない
。
"None or All"であることを知ってほしい。
何人もの人から「良かったよ」と言ってもらえた。お世辞かもしれないが、自分たちも大変勉強になったし、やって良かったと思う。これから先、任地でも自分がファシリテーターになってワークショップをやることがあるかもしれない。今回の反省点を自分なりにまとめて、この経験が無駄にならないようにしなきゃね。
↑久しぶりの白衣はちょっと新鮮・・・かなり恥ずかしかったが、楽しかった☆
病院で働いてたら、恐れ多くてそんなに親しくなんてなれないであろうNs大先輩の2人と。
今日のテーマは「VCT:Voluantary Counselling and Testing」
メンバーの中に日本のVCTでボランティアをしていた人がいるので、彼女がいろいろレクチャーしてくれた。
流れとしては、、
受付→プレカウンセリング→テスト→ポストカウンセリング
ここでは、カウンセリングが重要になってくる。たとえ陰性でもプレ・ポスト両方のカウンセリングをする必要があり、このカウンセリングが現状のステータスを維持できるかに影響を及ぼす可能性もある。
一応、ピアカウンセリングなどは大学時代から勉強はしてきた。カウンセリングに必要な技術は?と聞かれれば、教科書通りの答えなら言えるっちゃ言えると思う。
でも勉強はしてきたけど、実際生身の人間相手に実施するのはまた別。絶対教科書通りになんかいかない。
エイズ対策活動において、VCTでの活動は外せない。
でも日本語でさえ、相当なカウンセリング技術を要する。英語でやれるんやろか・・?かなり不安
男性用(上)・女性用(下)コンドーム
このままの知識や技術で派遣されてはマズイ・・・との危機意識から、エイズ対策メンバーで週1回WORKSHOPを開催することになった。
昨日が第1回目。
テーマ「HIVの概要と感染経路」「AIDSの症状」
私はAIDSの症状を担当。
AIDSは23個の日和見感染症のうちいずれか若しくは2つ以上を発症すると、診断される。
症状は実に多様で、AIDSの症状はこれです!というように断定できないから難しい。
きっと派遣されたら、ほぼ毎日AIDSを発症している方に出会うのではないかと思う。
そうなった時に、自分はどういう行動をとるんだろうか、自分は何ができるだろうか・・
答えはすぐに出ないが、皆でディスカッションし、考えることは大切。
また先日感染症講座があり、そこでHIV/AIDSについても触れられたのだが、その中で1回の性交で感染する確率が数字で示されている資料があった。それを見たエイズ対策以外の多くの隊員は「意外に低い」と感じたという。私はそれを聞いて、少しショックだった。確かに数字で見ると、低いという印象を持ってしまうのかもしれない。でも、感染するか否かは、0か100。つまり、"None or all"
伝えるって難しい。自分が伝える側にたった時に私はきちんと伝えられるだろうか。しかも外国語で。
うーん・・
このような勉強会の場は、HIV/AIDS問題の大きさ、深刻さを実感し、改めてなぜ自分がエイズ対策隊員を選んだのかということを問うことができる場となる。
毎日語学づけでなかなか本業の勉強ができないでいるが、せめて週1回のこの時間はHIV/AIDSを真剣に考える時間としたい。
3/4、名古屋で市民公開シンポジウム「エイズとの闘いーその最前線2007」が開催されたので、行ってきた。
1部「エイズの臨床」、2部「エイズの社会学」
薬などかなり専門的な話だったが、薬剤耐性ウイルスの出現など、知らなかったことも聞けた。
2部は「社会学」というほどの内容ではなかった気もするが、1人の先生の講演はなかなか良かった。
日本(主に話は東海地区のこと)では、特にMSMの人の感染が増加している。名古屋は東京や大阪のように、陽性者の支援体制がまだ確立されていないようだが、NGO活動を中心に体制づくりを進めているそう。住んでいる地域のことなのに、全然そういうことは知らなかった。。
また、20代女性の感染も拡大しているのも日本の特徴。私も20代女性。HIV検査だって、受けたこと無かった私。火曜日に受けに行く予定だが、自分がエイズ対策をしにいくのに・・・やっぱりこの問題は他人事ではないんだと思う。