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生活のことや仕事のことなど、日々の足跡を少しずつ残してます。
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(2/24の話)

4日目、今日はいろいろあってとっても疲れた。
ホテルに帰ってきたのは真夜中。

①在日外国人におけるHIV診療の現状とVCTの取り組み
講師は澤田貴志先生(医師であり、SHAREの副理事?だったかな・・・)
社会的マイノリティ、社会的に脆弱である存在で、HIV感染リスクが上昇する。それは彼らが不健全な生活を送っているからではない。彼らは得られる情報や教育が限られた存在であり、そんな状況を作り出しているのは私達マジョリティ。
タイやブラジルでは誰でもエイズ治療が無料で受けられる。その政策でHIV感染率が劇的に低下した。日本なんかよりずっと進んだエイズ対策プログラムを持っている。じゃあ、なぜ他の国はそんな成功例を模倣しないのか・・・疑問だった。アフリカで適応できないのか。
その答え、、
・内服コントロールができない
・副作用の治療ができない
・薬を誰が調達し、陽性者のもとへ運ぶのか
医療体制、内服を継続できるバックアップ体制がない、ということ。1回薬を内服できたとしても、全く意味がない。この病気は一生薬を飲まなければならず、途中でやめたら、薬剤耐性ができ、ますますエイズ発症を早めることになりかねない。

エイズ対策においてVCTセンターの果たす役割は大きい。私はVCTセンターの目的を間違えていた。VCTは予防のためだけでなく、本人の利益に立脚するべきだということに気付けていなかった。少しでいいから、ガーナに行く前にカウンセリングのトレーニングを受けたいと切実に思った。

②貧困とセックスワーク
現役セックスワーカー(風俗嬢)の金井愛子さんが講師。
セックスワーク・・・とてもとても偏見があった。私は絶対やりたくないし、風俗に行く男性に対して軽蔑の目で見てしまう自分もいた。
どんなゴージャス嬢が出てくるのかと思っていたら、とってもとってもフツーの人。見た目はちょっと地味かなって思うくらい、普通の人。とても第一印象じゃ、この人がセックスワーカーだとは思えない。
いろいろ現役セックスワーカーとしての視点から語ってくれた。
金井さんは家が貧しいわけでもなく、すごくお金が欲しいというわけでもなく、ただ何となく興味があったから風俗業界に足を踏み入れたそう。他の仕事もしていたことがあるが、結局は一番この仕事が良いと戻ってきた。金井さんにとってセックスワークはあくまで仕事。私が病院勤務していたのと同じようにサービス業という仕事をしている。
1つ、質問してみた。
「私は彼氏が風俗に行くっていたら嫌ですけど、もし金井さんの彼氏が風俗に行くって言っても抵抗ないですか?」
答えはあっさり。
「ないね~。まぁ、わざわざお金払って風俗でやるなら、私とやれば無料よ!とは思うけど」
そんなもんなのか。。価値観の違いのちょっとショックを受けたりもしたが、まぁ人それぞれの生き方ではあると思うし、金井さんの生き方を否定する気は無い。
ただ、私はやっぱりセックスワーカーにはなりたくないし、なれない。

③セクシャリティとエイズ
講師は砂川秀樹先生(某女子大講師であり、オープンリーゲイである)
「セクシュアリティ」 大学でちょっとは勉強していたが、こんなに奥深いテーマだとは思ってなかった。
セクシュアリティは個人の問題ではなく、社会的な問題だということ。「性は個人のものやん?」って思うけど、私達の生活のあらゆるところにセクシュアリティは登場し、法的にも管理される。社会的な問題だといわざるを得ない。
解剖学的性、性自認、性的指向。それぞれに男、女、その中間?がある。そもそも、この社会は性を文化的に2つに分けることになっているので、男と女の2つの性で考えたとしても、8通りの性のあり方が考えられる。
解剖学的には女、性自認も女、性的指向も女なら「レズビアン」、解剖学的には女、性自認は男、性的指向は女という場合、一見レズビアンのようだが、自分は男という意識で女が好きなので、実は「ヘテロ」になる。また解剖学的に女、性自認は男、性的指向も男なら、体は女だが、「ゲイ」という分類になる。
頭がこんがらがりそうだけど、よくよく考えれば当たり前のこと。納得。
もっと勉強したくなった。

本当にこの研修は濃い。深い。
今のところ、エイズ対策を選んでよかったと思えている。


ここ数日、毎日何人かのゲイの方にお会いするし、その方たちは皆普通の人だし、どんな世界なのか、特別視するような世界ではないように思えてきて、思い切って今夜、新宿2丁目に行ってみることにした。
新宿2丁目・・・歌舞伎町の近くにある街だが、そこはゲイとレズビアンの街。
自分の中の偏見を試してみたいという気持ちも強かった。
思った以上に疲れた。カルチャーショックというのだろうか・・・何ショックと言えるものか分からないが、とにかくショックが大きかった。何がそんなに私を疲れさせたのか、何に対して自分の価値観との相違を最も感じたのか、自分自身が混乱していて、まだよく分かってない。もう少し自分の中で見つめ直してから、書いてみようと思う。

あ、あと今日は2丁目に行く前に東京近郊にいる隊員候補生の飲み会があったので、ちょこっと顔を出してきた。まぁ、皆勢いがすごくて圧倒された・・・ってのが正直な感想。



とにかく今日という日は、心身ともに疲れた。

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3日目はいよいよエイズ配慮研修⇒エイズ対策研修へ。
テーマは「HIVの感染のリスクと自己マネジメント」
今日は“ぷれいす東京”というHIV/AIDSと共に生きる人々を支援するNPO主催の研修。

①性に対する自己の態度や意識への気づき
グループになり、HIVに感染すると思われる性行為について書き出した。羞恥心などは取っ払って、普段なら口に出せないような内容を列挙していくというもの。私は職業柄というか、仕事でけっこう「SEX]「膣」「ペニス」「コンドーム」などという言葉は使うことが多いので、あまり抵抗がなかったが、行為そのものの名詞を出すことにはちょっと抵抗あった。反面、一体これらの行為を書き出して、自分の何が分かるのだろうとちょっと興味深々な部分もあった。書き出した後は、それらを感染リスクの高い順に並べる。そして、①今晩ものすごく魅力的でこの人となら結婚してもいい!って思える人と出会った際に、その日許せる行為はどこ?②1年付き合った後、許せる行為はどこ?の2つを選択。ほとんどの人は①の場合、感染リスクの低い行為(キスなど)に留まり、②になると、膣への挿入(コンドームなし)などを選択する。実際、私も同じような回答だった。
でも、、実際1年経っていたら、果たしてコンドームなしのsexをしてHIVが予防できるのか。相手がsexをする前にHIVテストを受けて陰性だということが判明していれば、大丈夫だろうが、1年付き合ったところでHIVの感染の有無がわかっていなければ、その日出会ってsexするのと何ら感染の危険率は変わらない。(もちろん気持ちの面では信頼の構築等あるけれど・・・)

「愛はウイルスには勝てない」ということ。

たとえ自分と彼氏が今HIVに感染するリスクのある行為を行っていなくても、じゃあ自分の元彼は?元彼の元彼女は?さらに元彼の元彼女の元彼は?ってなると、もしどこかでHIV陽性の人がいたら、皆感染する危険性はある。

HIV検査受けなきゃ。
自分一人の問題じゃなくて、付き合っている人との2人の問題でもある。一緒に受けに行こ。

②手記を読むワークショップ
まず、自分達が持っているHIVに対するイメージをずらーっと書き出す。書き出してみると、ほとんどがネガティブなもの。実は、私はすべてネガティブなものだった。



その後、実際にHIV陽性の方が書かれた手記を何個か朗読。実際に読んでみると、そんなに暗く悲観的なものはなく、ほとんどが未来に対して明るい希望を持っているものだった。私が思うに、HIV陽性者やその周囲の人々は真剣にHIVと向き合って、絶望と不安の中から立ち上がり、希望を見つけていくことができていく。ネガティブなイメージしかないのは、今までHIVと真剣に向き合ってない証拠だと感じた。ずっと前からHIVに関心はあっても、所詮私にとっては他人事だったということ。自分だってHIV陰性であるという証拠は持っていないのに・・・

③ヴァルネラブルグループとその取り組み
エイズ小史を勉強。HIV=感染症=病気=保健医療の問題と思ってきたが、実はそうでない。HIVはとても社会的な問題だった。
エイズのスティグマは3つ。
1、死ぬ恐怖
2、社会の少数派(ゲイ、血友病)
3、性(外国人⇒セックスワーカー⇒一般)
病気のイメージはそもそも病気の始まりと大きく関連している。SARSや鳥インフルエンザは誰にでも感染しうる病気だから、皆マスクをしたり鳥を食べなくなったりという感染予防行動を一斉にとった。でもエイズは社会のマイノリティの病気だから自分は関係ない、加えて性の話題がタブー視されているために人々の予防意識が高まらない。マイノリティが感染しやすい状況を作ってしまっているのは、その他マジョリティが作り上げる社会であり、マイノリティだけの問題では当然ないんだけど。
とても複雑(いや単純なのかも?)で難しいので、ここに書くのはムリ。とにかく、エイズ史はとてもこんがらがった状態になっているために、対策が難しいということが分かった。

思ったより、精神的ダメージはなかった。案外、元気。
エイズってとても深い問題。国際会議まである疾患なんて他にはない。エイズのための国連機関まであるんやから、その理由がようやく分かってきた。
私の常識=アフリカの常識ではない

(稲場先生の講義より、、)
・アフリカにいる「私」とは何者なのか
・なぜ「私」はアフリカにいるのか
・「私」が向き合っている「彼ら」とは誰なのか
・「彼ら」はどこから来て、何者としてここにいるのか
・「私」を「私」とし、「彼ら」と「彼ら」としているのは何なのか

上記を踏まえ、私の常識の中で活用できるものを活用していかなければならない。

2日目は「世界の動向」

①世界の感染症
講師は国立国際医療センター国際医療協力局の仲佐保先生(Dr) SHAREの理事長もやられている方。
感染症やアフリカの問題などについて、グループワークをした。
私のグループは、
1、アフリカにおける貧困とはどういうことか。
2、貧困なアフリカの人がHIVに感染したらどうするか。

「貧困」 
言葉は簡単だけど、考えれば考えるほど、意味の大きい言葉。
WHOが唱える貧困の定義は「1日1$以下で生活している人」
JICAにおける定義は「人間が人間としての基礎的生活を送るための潜在能力を発揮する機会が剥奪されており、併せて社会や開発プロセスから除外されている状態」
1つ言えるのは、私(日本人)が考える貧困とアフリカの人が考える貧困は違う、ということ。何を、どの生活水準を基準にするかで変わってくる。自分の定義が相手に当てはまるとは限らない。
うーん、深い・・・

②世界のエイズ流行とコミュニティ
講師は日本アフリカ協議会の稲場雅紀先生。
「属性」と「当事者性」について考えた。「当事者性」って聞きなれない言葉だが、「人間が持っている各種の属性の中で、ゆずれない部分」らしい。
私の属性は、日本国籍、黄色人種、女性、性自認も女性、三重出身、四大卒、助産師、目が悪い・・・などいろいろある。私の当事者性って何だろう?私の中でゆずれない部分・・・私が命をかけてもこのコミュニティを守りたい、発展させたいというものは何か。
ハッキリ言って、今はあまり思い浮かばない。。これがすぐ思い浮かぶ人って、人生に大きな目標を持てるんやろうなぁって思う。
先生の講義を聞いて、一言で説明はできないけど、エイズ対策が当事者を巻き込んだ包括的なものでないとダメということがよく分かった。で、具体的にどうしたら良いかということは、これから考えていかなければならない事。

③エイズ対策関連隊員の取り組み
3人の講師の話を聞いた。その中の一人がガーナで活動されていた方だったんで、いろいろとガーナ事情を聞くことができた。
その方曰く、ガーナはとっても温厚な国民性で、アフリカの多くの国で見られる男性優位な社会でもなく、男女の格差はほとんどない。外国人に対しても友好的で、派遣されて活動のしやすい国だとのこと。都市に行けばたいていの物資もそろう。私の派遣先からバスで1時間のところに「クマシ」というガーナ第2の都市があるので、けっこう恵まれた環境なのではないかとおっしゃっていた。かなり安心した~ただ水は手に入る所とそうでない所があるらしく、手に入らないとシャワー(水浴び?)は週1回とか。。。
まあ、皆そうならいっか☆

今日もなかなか濃い内容の1日だった。昨日よりは精神的にラクだったカナ。
明日はけっこう重たい内容。今まで気付けなかった自分に出会うかもしれない。

研修後、みんなで浅草に行ってきた。残念ながら、時間が遅くて浅草寺の煙をかぶることはできなかったけど、雷門を初拝見!

今日からエイズ対策の技術補完研修が始まった。in東京

1日目の今日は「エイズの基礎知識」

①エイズの基礎知識、感染予防、治療について
講師は堀成美先生。都内の感染症科のNs。堀先生といえば、看護雑誌等でよく名前を拝見する。大学時代、卒論を書く際に堀先生の文献をよく読んでいた。講義はとても聞きやすく、面白いものだった。私だったら言うのをちょっとためらう、もしくは言葉をよーく選んでからじゃないと言えないようなことも、サラッと、でもあまり相手を傷つけない口調で言っていて、さすがプロという感じだった。

②日本のエイズ対策について(東京都の例)
大木幸子先生という東京都の保健師さん。東京都は日本で一番HIV陽性者が多い。単純に人口が多いからということではなく、それを考慮しても多いそうで、エイズ対策が一番すすんでいる。
私が知りたいこと、「無関心者に対する啓蒙の有効な方法」とは?
対象者の関心があるものに合わせて、啓蒙していくしかない。対象者の文化を理解し、文化と共に伝える。対象者を巻き込んだものでないと、リアリティがない。そのために有効な手段としてピアがある。
なるほど・・・と思ったけど、その「文化理解」と「リアリティ」が難しい。

③エイズの社会背景、治療アクセス
長谷川博史先生。MSMでHIV陽性者。私が今まで足を踏み入れたことのない世界の話ばかりだった。ハッキリ言って、けっこうショックなこともあったし、私には理解できないこともあった。
先生は「感染者」という言葉は使わない。エイズ発症の有無を問わず、HIVウイルスに感染している人を「陽性者」という。感染⇔非感染というボーダーができてしまうから、ということ。医療現場にいた私は、無意識のうちにこのボーダーが人より強いかもしれないと感じた。

研修生の多くは長谷川先生の講義がとても良かったと言っていたが、私としては、もちろん長谷川先生の講義も良かったと思うけど、堀先生の講義の方がすんなり入ってきて共感もできた。
医療者だからなのか・・・
今まで私はHIVについて勉強してきたつもりだけど、私が得てきたものは医学的、統計的な「知識」の一片にしか過ぎない。私には「リアリティ」が欠けている。今後の大きな課題。

今まで住んできた世界はとっても狭い世界だったな・・・と実感した初日だった。
充実した1日だったけど、初日からけっこう精神的に疲れた。
自分の価値観が変わっていく、変えていかなければならない研修になりそう。
それが楽しみでもあり、でも少し怖い気もする。
明日からも頑張ろう。

とりあえず、3日続けてほとんど睡眠時間が確保できてないので、寝て疲労回復!


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2007年6月18日から青年海外協力隊(19年度1次隊)、エイズ対策で、ガーナへ派遣されていました。
今は日本でまた病院勤務。
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