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生活のことや仕事のことなど、日々の足跡を少しずつ残してます。
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2008年1月に赤ちゃんを産んだHIV陽性の女性。今もうちの配属先が組織するNGOの月1回のミーティングには通っている。妊娠中にHIV感染が発覚し、赤ちゃんを出産した当初は、夫の理解も得られ、協力的だった。ように見えていた。

今月のミーティングが終わった後、彼女が私のそばに来て、助けて欲しいとお願いされた。数か月前から夫とうまくいかなくなり、ついに家を追い出されたと。今は夫と住んでいた家を出て、赤ちゃんと2人、知り合いが紹介してくれた家に身を寄せているが、彼女たちに与えられた部屋は建設途中のまま、工事が止まっている1室で、窓枠はあるが窓はなく、骨組はあるが屋根もない、床は冷たいコンクリート、昨日ようやく入口の扉は付けたというひどい所。それでもまだ眠る場所があるから良いのかもしれないが、寒さをしのぐために窓に布を張り、屋根にビニールシートをかぶせ、床には小さなござを敷き、布団なしで眠らなければならない。

彼女にHIVテストを受けるように勧めたのは私で、ART(抗HIV療法)にアクセスできるように一緒に病院に行ったのも私。彼女の夫にHIVテストを受けるよう勧めたのも私。彼女がHIV陽性であることを、HIV陰性の夫に伝える時も同席した。彼女はHIV陽性であることが分かり、治療を受けることができている。治療をしていなかったら、赤ちゃんの状態も今より悪かったかもしれないし、彼女自身の命も短くなっていたかもしれない。でもその反面、それまでうまくいっていた結婚生活を失い、夫を失い、赤ちゃんは父親を失い、住む家を失い、差別偏見に怯え、治療代を支払うために困難を強いられている。

自分の感染を知ることで、感染していることを知らないままに他者を感染させてしまうことは防げるし、公衆衛生的にも自分のステータスを知ることはとても重要。理性で考えれば、どう考えたって知ることは大切。じゃあ、個人のレベルではどうなんだろう。命は長らえたかもしれない、でもその代償として、今失ったものも大きい。感情を持つ1人の人間として考えたら、どっちが幸せなんだろうか…。

1歳になりました。懐いてくれてとても可愛い。
  


もちろHIV陽性であったとしても、幸せな生活を得る権利はあり、現に幸せに生活している人もたくさんいるけれど、彼女を見ているとそう感じずにはいられなかった。

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アヤカ
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女性
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病院勤務
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自己紹介:
2007年6月18日から青年海外協力隊(19年度1次隊)、エイズ対策で、ガーナへ派遣されていました。
今は日本でまた病院勤務。
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