火曜日、郡病院で妊婦健診の手伝いをしていたら、苦しそうな産婦さんがタクシーでやってきた。
最初はただの陣痛で苦しそうにしているのかなと思った。でも、いざお腹を見てみたら、お腹の形がおかしい。
回旋異常?
とりあえず、トラウベで心音を探してみた。
けど、どこを聞いても聞こえない。
会陰はむくむくに浮腫っていた。ちょっと会陰を開くと、もうそこまで児頭が見えている。きっと長時間この状態が続いているに違いなかった。
でも、このときはまだ胎児は生きていると思っていた。
体位の関係で心音が聴取できないだけだと思っていた。
吸引分娩を施行。
私がするわけにはいかないし、できないので、私は日本でDrがしていたのを思い出しながら、見様見真似のクリステレル圧出法でお腹を押した。
なんとか児を娩出。
羊水はものの見事にドロドロ。緑色なんてものじゃなかった。もうヘドロ状態だった。胎盤も臍帯も抹茶色。赤ちゃんのの筋肉はすでに硬直していた。お腹の中で、もうかなり前に亡くなっていたんだろうと思う。
産婦の話によると、5人目の経産婦で、本当は自宅分娩をするつもりで、かなり長いこと自宅でねばっていたらしい。でもなかなか赤ちゃんが生まれてこないということで、耐えかねて病院に運ばれてきたとのこと。もう少し遅かったら、赤ちゃんだけでなく母親の命も危なかったかもしれない。
今のところ、お母さんは元気そうだったけど、無事に乗り切ってくれますように。
そして、赤ちゃんが安らかに眠れますように。
金曜日、Abuakwa Heakth Centreにて、駆け込み分娩。
やってきた時にはもう排臨(赤ちゃんの頭が会陰から見えている)の状態。3,4回息んで、つるンっと生まれました。赤ちゃんの方はやっぱり何の処置もなしだったけど、、呼吸も上手にしていたし、きれいなピンク色になっていった。
ガーナの赤ちゃん、なんと生まれた時は日本人と同じような黄色人っぽい色をしている子が多い。数日経つと、どう見ても黒人やよな…っていう色になるんやけど。不思議~
3200gの元気な男の子↓ 沐浴中↓
分娩室↓ 滅菌された器具なんて存在しない。
いろんなことがあるけど、生命の誕生に立ち会えるって嬉しいことです。