8月の終わり、学校に派遣されている教師隊員が中心となって、各校からバケーション中の生徒を数人連れて集まり、合宿のようなものを開催する「ホリデースクール」があった。生徒は中学生から専門学校生で、教える教科は理数科で、数学、化学、生物、物理が中心。でも普段学校じゃ受けられないような実験や内容の面白い授業になっている。
私は学校隊員ではないけど、ホリデースクールの特別授業として、HIV&AIDSについてやってみないかと声をかけてもらったので、他の隊員も誘い、一緒に90分の特別授業を行った。
=テーマ=
HIV&AIDS-Not somebody’s business but ours-
Let us be the one to take action against HIV&AIDS
普段1人で学校を回っている時にはできないようなゲームやワークショップを盛り込み、計画から皆であーでもない、こーでもないといろいろ練り上げ、結果的にはなかなか良い授業が構成できたと思っている。生徒の反応もなかなか良く、達成感の得られたプログラムだった。
協力隊、なかなか個性が強いメンバー揃いであることはもう訓練所の時点で分かっていることだった。そして、ただでさえ人をまとめるというのは骨の折れる仕事。ルールを守れない人、自己主張が激しい人、自分が基準で動いてしまう人、責任を人に押し付けてしまう人…それぞれ悪気がないのは分かるし、きっと自分的には良かれと思ってやっているんだと思う。しかし、全員が同じ気持ちになって、1つのことをしようという時、人と足並みをそろえる努力も必要。日本の社会にいれば、会社等ではある程度の規制の下で働くわけであり、上司や同僚の目を気にして、自分の立場もわきまえた行動がとれるんだろうけど、協力隊は自分がやりたければやればいいし、やりたくなければやらなくていい。やらなくたって、それを評価する人も自分以外にいないし、自分の立場が危うくなるわけでもない。「自由」と「自己中心」は紙一重だということを、つくづく思い知った。自分も含め、やっぱりどんな時でも、人と何かをやる時は、自分の立ち位置、人の立ち位置をよく考えて、人への配慮が大切。