先日、同僚が亡くなった。
彼女は私が巡回しているヘルスセンターの助産師で、私がガーナに来て以来ずっと親しくしてくれ、とてもお世話になった人。まだ34歳という若さで、小さな子どもが2人いる。死因はMatarnal Deathと診断されただけで、詳細は分かっていない。妊娠3か月だったそうで、妊娠がなんらかの死亡要因を引き起こしたと思われている。嘔吐を繰り返し、自身が勤務するヘルスセンターで対症療法を試みるも効果なく、州都の病院まで運ばれてから2時間ほどで亡くなったそう。
本当に妊娠が原因だとしたら、、
妊娠3か月・・・ひどい妊娠悪阻?こんな早い時期から妊娠性高血圧症候群の悪化?それとも子宮外妊娠??何の医療器具もないヘルスセンターで、どこまで原因が追究できていたかはわからない。日本だったら、ショック状態に陥る前に、早急に診断が下され治療が開始される。もちろん日本の医療でさえ、間に合わないケースだってあるだろうけど、医療者であり、産科のプロフェッショナルであった彼女でさえ、妊娠による異常を回避できなかった。
数か月前、協力隊員自身によるバイク事故があり、頚椎骨折という重傷を負った。意識不明の状態で首都の大病院に緊急搬送され、様々な検査の後に下された診断は「原因不明」。その後もっと医療設備の整った国へ搬送され、頚椎骨折が判明、治療が開始された。幸いにも命はとりとめ、大きな後遺症なく、現在は無事日本に帰国している。
医療事情を通じて、自分がどのような国にいるのかということを改めて考えさせられる。バイク事故の件にしろ、今回の助産師の死にしても、ここが途上国であることを痛感せずにはいられない。
彼女がいたヘルスセンターは私が巡回している施設の中でも、特に私が働きやすい場所で、彼女と一緒に働くのは楽しかった。どうもありがとう。彼女のご冥福をお祈りします。