うちの郡にはHIV陽性者で構成されたNGO団体がある。
30人近いメンバーがおり、月1回、ミーティングも行われている。ガーナにはGAC(Ghana Aids Commition)という政府組織があり、そこから資金援助を受け、陽性者の治療援助などを行っている。陽性者が毎日ARV(抗HIV薬)を服用し続けていくためには、薬代として月に5GHCかかる。そしてプラス、Kumasiまでの交通費など。安定した職を得られない彼らにとって高額な負担であるため、資金援助を行っている。
しかし、去年よりGACからの援助が受けられていない状況が続いており、資金繰りが苦しい。またGACの支援のもと、収入向上活動も計画されていたが、そちらもストップ。メンバーをはじめ、NGOのやる気はあるのに、「お金がない」。具体的にどのような収入向上活動を実施したいというプランが挙がっており、それを行う土地もある。あとはそれを始めるための機材が購入できれば…という段階。
JICAの方針として、隊員を通じての資金贈与はしない。しかし、隊員の活動支援としてなら経費を申請することができる。活動自体は継続可能な内容・方法なのか、私たちがそのNGOの活動にどのように関与していくか、隊員が撤退した後の状況予測、機材のメンテナンスは誰がどのように行えるのか等、まだまだじっくり見極めていかなければならない問題はたっぷりあるし、決してJICAもすんなり援助を決定してくれるわけではない。日本国民の税金を使うわけだから審査が厳しいのは当たり前だけど、支援経費を獲得するためには申請書類の内容次第。幸い、Nkawieには私と同じエイズ対策の隊員がもう一人入っていて、彼女と協力して取り組んでいくことができる。何事にも金銭問題は必ずくっついて来るけど、頑張りどころ。
ガーナ滞在7か月が過ぎ、彼らの中で私の顔も少しずつ見慣れたものになってきたのか、挨拶も普通にしてもらえるようになってきた。全く外部者であった私にとって、それはやっぱりとても嬉しいこと。私がここにいることで、彼らのために何かできることがあれば、できるだけやれそうなことはやってみたいと思う。
ちょっと医療の話。
Sickle-cell disease:鎌状赤血球症
通称、Sickling。
赤血球の形状異常のため酸素運搬能力が低下し、貧血、臓器障害が起こる。
↑丸いのは正常、鎌状になっているものが異常
遺伝子突然変異によるもので、アフリカ、中近東などに多いと言われている。
なぜアフリカに多いか・・・
それはマラリアの流行と関連しているとも言われている。鎌状赤血球は正常赤血球よりも壊れやすく、それが貧血へとつながるわけだが、マラリアに対してはこれが有利に働く。つまり、マラリア原虫が血中で爆発的に増加する前に赤血球の寿命が来てしまうので、マラリア原虫の増殖が抑えられる。遺伝病としてアフリカに多く、それが無くならないのは、こういった自然への体の適応もあるらしい。
人間の体って不思議・・
そして実際、ホントに多い。
日本にいたら、ほとんど見ないけど、ここガーナでは本当によく目にする。
妊婦健診ではSicklingがルーチン検査の中に入っていて、健診に来た全妊婦を検査するが、かなりの割合でPositiveという検査結果が返ってくる。そして同時に、貧血も多い。正確に言うと、Sicklingには2種類あって、貧血が重傷になるタイプと軽症で済むタイプがある。ほとんどの人が軽症なタイプのSicklingだけど、Hb(ヘモグロビン)7~9g/dlなんていうのははざら。中には5g/dlという人もいた。
そんな人がすごく遠い所からやってくるから、やっぱりこっちの人はスゴイと感心してしまうけど。。
ラボがない施設での簡易貧血検査セット↓(信頼性と清潔度はナゾ・・)
もちろん栄養状態が良くないということも影響しているが、ガーナでは貧血は主要な病気の1つ。
妊婦に対しては鉄剤の処方をしているが、出産時の出血多量に間に合うほどの効果はほとんど期待できないというのが正直なところ。貧血も周産期死亡率を高くしている一要因。
日本じゃ「貧血で死ぬ」なんて、あまり聞かない話。
でも、ここはアフリカ。
ガーナの協力隊には分科会(普段の活動とは別に自分の関心のあることについて勉強したり他の隊員と活動する場)というものがある。理数科分科会、クラフト分科会、エレクトロニクス分科会などがあるが、私は村落分科会というものに属している。
村落分科会というのは、村落開発普及員やエイズ対策などコミュニティーをベースに活動している隊員が中心になって、個人の活動に生かすべく興味あるテーマを一緒に勉強したり、個人ではできないけれど、何人もいればできるかも…ということを実現させていく分科会。
年に1~2回ツアー(主に隊員の任地を訪れる)というものが開催され、先週6日間参加してきた。
テーマは“Enjoy Environment”
環境を大切に、きれいにしましょう!ということで、トロンという北部の村とンクワティアという南部の村を訪問し、
①壁に絵を描く
【中学校に世界地図】
【ヘルスセンターに健康に関する絵】
②学校でゴミ問題に関するワークショップ、ゴミをreuseをしたペンケース作り
ワークショップは英語でやらなきゃいけないし、生徒だけでなく先輩隊員たちも見ているので緊張したけど、生徒の反応が良いとやっぱり嬉しいし、壁絵はとても達成感のある出来上がりになり、良いツアーだったと思う。
協力隊というのは、ホント個性的ですごいなぁと思える人が多いもので、先輩隊員たちのディスカッションや意見には圧倒されることも多い。私だったら1分で結論がでるところを2~3時間もかけて議論し、朝から始まったミーティングが深夜にまで及んだり、個性的な人が多い分、理解し難かったり、時には葛藤することもあるけど、いろんな意見は聞けるし、とても勉強になる。
自分の活動が後回しにならない程度に、これからも参加していく予定。
お正月を首都で過ごし、1/6にNkawieに帰ってきた。
ら、ちょー寒い!!!!!!!!!
それでも昼間は太陽が暑いので半袖でいられるけど、朝晩はパーカーとか着てないと寒くてやってられない。水シャワーがしんどい・・
気分は日本の11月。温度計がないので、実際のところは分からないけど、ガーナに来て半年ずーっと暑かったから、体がアフリカ仕様になってしまったのかな・・
原因はハマターン。
季節風のようなもので、乾季のこの時期1~2か月間、サハラ砂漠の方より砂を大量に含んだ風が吹く。日本の黄砂のもっと激しいバージョンで、空はよどみ、北部の方では数m先が見えないという状況になるそう。ここら辺はまだマシと聞くけど、それでもあらゆる物が砂で白くなり、バイクで走れば、体に砂が積もる。喉も痛い。
この厚い砂のせいで、朝晩の気温がぐっと下がるというわけ。
暑いのもイヤだけど、寒いのはもっとキツイ(><)
私、日本の冬に耐えられない体になるかも。。
先日、ブログにも書いたHIV陽性の妊婦さん
2008年1月1日 AM4:30ころ
2400gの女の子を出産
ニューイヤーベビー♪
まさに新年の夜明けとともに生まれてきてくれた。家はKumasiの病院までかなり遠いが、それでもちゃんと間に合ったようで、適切な処置のもと出産できた。
早く会いたくてうずうずしてたけど、今週ようやく会いに行ってきた☆
今のところ、お母さんも赤ちゃんも元気そうでひと安心。お母さんが抗HIV薬を飲み続けるのはこれから一生。母乳をあげることはできないし、赤ちゃんもしばらくは抗HIV薬を飲み続けなければならない。赤ちゃんがHIVに感染しているか否か、最終的な判断が下せるのは18ヶ月後。それまで心からはホッとできないだろうし、他のお母さんが母乳をあげているのを目にしたり等、これから辛いことも多々あるだろうけど、赤ちゃんのためにも夫婦で力を合わせて頑張ってほしい。
めちゃくちゃかわいいBabyやった~~
パパはキスしまくりデシタ(^^;
おめでとう!
そして、無事生まれてきてくれてありがとう。
ガーナで初めての年末年始、同期と一緒に初めて国内旅行に行ってきた☆
行き先は・・海!ビーチ!!
ガーナは大西洋に面した国で、西アフリカ海岸はゴールドコーストとも呼ばれ、リゾートとしてヨーロッパから観光に訪れる人もいる。
ひっさしぶりに見た海はめちゃめちゃ良かった。日本にいた時は、海より山派な私だけど、海はずっと眺めてても飽きない。やっぱり島国の血が流れているのかしら~~
Busua Beach↑
世界遺産Elmina Castleが望めるBeach↑
木にくくりつけてある吊り橋は人が一人通れるくらいの細さで、一番高いところで地上40mらしい。
ボランティアで来ていることをしばし忘れ、同期とおいしい物を食べ、お菓子を買い込んで夜中まで話し込んだり、朝日を拝み、昼間はビーチや観光を楽しんだ。満腹マンプク♪
たまにはこういうリフレッシュも必要でしょ。
Beachで年越し。
2008年、あけましておめでとう!
しっかり初日の出も拝みました。さぁーっと雲が開けて太陽が見えた瞬間は、本当にキレイだった。
2008年、人と自分としっかり向き合い、ここで貴重な1年を過ごせますように・・・
何日も他人とずっと一緒にいると、だんだん自分のペースで生活できないことや価値観の相違にしんどくなることもある。それは日本人でもガーナ人でも一緒だけど、言葉の通じる日本人だからこそ、余計に感じる部分もある。私の同期は個性的で真面目で、物事をじっくり考える人が多い。個性の強い個人が集まっているのだから、個性同士がぶつかることもある。でも、それで気付く人の一面があったり、自分とは違った価値観への理解が深まったりすることもある。
同期のみんな↑
やっぱり同じ時期にガーナに来て、ガーナで過ごしてきた半年間に感じてきた思いを共感できる同期はとても大切で特別な存在。私は19年度1次隊で本当に良かったと思う。
みんな、ありがとう。