木曜日、病院のナースたちと一緒にGyankobaという村に行ってきた。
週に1回、ナースたちは管轄コミュニティーを回る。それを「Outreach」と呼んでいるけど、やっている内容は簡易乳児健診+予防接種。
Twi語が話せないので問診はできないし、ガーナの看護師免許を持っていないため注射もできないので、私にできることと言えば体重測定。木にぶら下げた体重計で、赤ちゃんを布の袋にいれて、体重を計る。時々袋の縫い目が破れて、赤ちゃんが落っこちそうになるというちょっと危険な体重測定器。
たくさんの赤ちゃんを抱っこできて、ちょっと嬉しかったけど、そのうちの一人におしっこをかけられ、ジーパンがべちょべちょになりました…(T_T)
そんなに大きくない村なのに、こんなに子どもがいるのか!というくらいたくさんの子どもがいた。
2006年末の時点で、日本の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に出産する人数)は1.32人。ここガーナでは4.39人(2005年)。
確かに妊婦健診などで、「子どもは何人いるの?」と聞いて、「4人」「5人」って答える人はざらにいる。私の年齢で、結婚してなくて子どもがいないと、本当に不思議らしく、「なんで結婚してないんだ?」「なんで子どもを生まないんだ?」としょっちゅう聞かれる。婚期を逃したかしら…なんて気分になってくるけど、確かに今の日本は晩婚化が著しいんじゃないかとも思ってしまう。日本では、子どもは1、2人っていう人が多いけど、ここガーナではお金がなくても、みんな何人も子どもを生む。『出産』『子育て』が、本当に自然なものとして、営まれているように思う。元来自然なものだから、それが普通なんやろうけどね。
社会見学してきました。
「ジュリアナ パン工房」(勝手に命名・・)
なんでパン屋見学?というと、、
HIV陽性者の人たちがIncome generationを得るために何かを共同製作するとしたら、どういう風にやればいいんだろう??という疑問から、じゃあ、まずマーケティングについて勉強しなければ・・というお話になった訳です。
マーケティング?…ハテ??っていう状態から、ちょこっとずつインターネットとかで勉強開始。さて、次は実際に何か1つ商品を選んで、製作~販売まで、一体どのような販路が開拓されているのか、顧客獲得はどういう風に行われているのかを調べてみよう。
何がいいだろう・・
うちの町で、よく売られているもの・・
食パンとかどう!?
ガーナはイギリスの植民地だったからか、かなりパンは流通している。首都にいけば、日本で売っているような菓子パンも買える。Nkawieでは食パンonlyだけど、西洋文化かぶれの私にとってはかなり嬉しい。
ということで、近くのお店のお兄ちゃんに頼んで、工房まで連れて行ってもらった。人の良いお兄ちゃんで、けっこうしっかり案内してくれ、社長さんにも会ってインタビューできた。
この工房では1日600本もの食パンを製造している。20+αの顧客がいるそうで、shop側は4000セディで購入し、5000セディで販売。儲け、意外に少ないか?まぁ、消費者としては嬉しい限りやけども。
パンを焼いてる釜戸↓
パンだらけの倉庫↓
大学時代、パン屋でバイトしてたけど、やっぱり焼きたてのパンの匂いっていいねっ!
突然の訪問を快く受け入れてくれ、お土産にフィートブレッド(全粒粉パンみたいな感じ)まで頂きました☆ おいしく、いただきます~
~おまけ~
ちなみに、私の一番お気に入りブレッドは「Brown Sugar Bread(黒糖パン)」
しかし、この黒糖クン、クマシにしか売ってないという代物。うちの町でも作ってくれないかなぁ…
火曜日、郡病院で妊婦健診の手伝いをしていたら、苦しそうな産婦さんがタクシーでやってきた。
最初はただの陣痛で苦しそうにしているのかなと思った。でも、いざお腹を見てみたら、お腹の形がおかしい。
回旋異常?
とりあえず、トラウベで心音を探してみた。
けど、どこを聞いても聞こえない。
会陰はむくむくに浮腫っていた。ちょっと会陰を開くと、もうそこまで児頭が見えている。きっと長時間この状態が続いているに違いなかった。
でも、このときはまだ胎児は生きていると思っていた。
体位の関係で心音が聴取できないだけだと思っていた。
吸引分娩を施行。
私がするわけにはいかないし、できないので、私は日本でDrがしていたのを思い出しながら、見様見真似のクリステレル圧出法でお腹を押した。
なんとか児を娩出。
羊水はものの見事にドロドロ。緑色なんてものじゃなかった。もうヘドロ状態だった。胎盤も臍帯も抹茶色。赤ちゃんのの筋肉はすでに硬直していた。お腹の中で、もうかなり前に亡くなっていたんだろうと思う。
産婦の話によると、5人目の経産婦で、本当は自宅分娩をするつもりで、かなり長いこと自宅でねばっていたらしい。でもなかなか赤ちゃんが生まれてこないということで、耐えかねて病院に運ばれてきたとのこと。もう少し遅かったら、赤ちゃんだけでなく母親の命も危なかったかもしれない。
今のところ、お母さんは元気そうだったけど、無事に乗り切ってくれますように。
そして、赤ちゃんが安らかに眠れますように。
金曜日、Abuakwa Heakth Centreにて、駆け込み分娩。
やってきた時にはもう排臨(赤ちゃんの頭が会陰から見えている)の状態。3,4回息んで、つるンっと生まれました。赤ちゃんの方はやっぱり何の処置もなしだったけど、、呼吸も上手にしていたし、きれいなピンク色になっていった。
ガーナの赤ちゃん、なんと生まれた時は日本人と同じような黄色人っぽい色をしている子が多い。数日経つと、どう見ても黒人やよな…っていう色になるんやけど。不思議~
3200gの元気な男の子↓ 沐浴中↓
分娩室↓ 滅菌された器具なんて存在しない。
いろんなことがあるけど、生命の誕生に立ち会えるって嬉しいことです。
Midwifeと一緒に、HIV陽性者のhome visitingをした。
Abuakwaに住む5人の陽性者のお宅に伺った。
いずれの人も、HIV(+)と知って、1年前後だったが、みんなHIV薬を服用しているという。ということは、けっこう以前に感染していて、状態が悪くなってきたから検査を受けてみたところ、陽性だったということが考えられる。差別、偏見があるために、やっぱりまだまだ健康なうちに、自ら進んで検査には行くいなんてことは考えにくい状態なのだろう。
一時は結核も発症して、状態が悪くなった人もいるらしいが、この日会った5人はわりと元気そうだった。しかし、彼らの共通した問題は一つ。
お金のこと。
仕事が手に入らない。
これはHIV陽性者に限ったことではないのだが、その中でも彼らはひと際仕事を得られにくいようだ。体調に左右されること、偏見があることなど、さまざまな要因が考えられる。
しかしHIV薬を服用しつづけるということは、必然的にお金がかかるということ。
HIV薬は国からの補助が出るため、1瓶40GHC(約4000円)のうち、自己負担は5GHC。しかし、5GHC、日本人にしてみればたかが500円。でもガーナでは、この値段で茄子が500個買える。
彼らにとって、とても高額であることが分かる。
他地域では、HIV陽性者が集まり、Income generationのために、作物や石鹸などを共同で作っているところもある。しかし、うちの地域では、その材料を買うためのお金さえ予算から出せない状況。
通常、一つの郡に与えられた全予算のうち1%がHIV・AIDSのために当てられるのだが、それがほとんど降りてこない状況らしい。
現在うちの郡のHIV陽性者を支援している団体はたった一つ、OICというアメリカのNGO。毎月、第4木曜日にGHSに食べ物(穀物と油)を持ってきて、陽性者に配っている。到底1人の人間が1か月暮らす分には足りないのだが、それでもBetter than nothing.
残念ながら、協力隊の目的は技術援助であり、JICAは隊員を通じての金銭的援助はほとんど行わない。外国人という立場で働いていて、周りからも金銭援助を期待されているのが目に見えて分かりながら、お金の工面はどうにもできない私は、こんな時身の置き場がない。なんとか郡役所が予算を獲得してほしいと願うばかり。。
~District AIDS Committee~
ようやく予算が降りてきたということで、郡内の要人が集まって、Distorict AIDS Committee:DACが開催された。内容は、予算の話やその使い道、今後VCTの強化、Mobike VCT Campaignを実施予定であることなど。
今回はまだ初回だということで、あまり具体的な話は出なかったけど、DACは四半期に一度開催していく予定だということで、今後の発展を期待。今まで知らなかったNGOの人と知り合いになれたし、それは収穫。
会議はAll英語。All Twi語でやられるよりは全然いいし、ちょっとはGhanaian Englishに慣れてきた気もしていたけど、それも気のせいだったかも。。ホントに一部しかピックアップできない。近くで向かい合って話し合うと聞き取れたりもするけど、遠いとホントに聞き取れない。。
あー英語ペラペラになりたい。
水道の水を飲むことができるのは、日本くらいなもの。
ここガーナでは、いろんなランクの水が存在する。
では、上位からどうぞ~~
① ペットボトルの水
お金持ち or 外国人向け。高い。500mlペットボトルが1本70~100円くらいする。
ex)VOLTIC
どー考えても、、パクリ?・・・やよね。
ex)DASANI
ちょっと厚めのビニールバッグに入った水。衛生的に処理された水で、私が毎日飲んでいるのはコレ。時々変な味がするのもあるけど、今のところ、これでお腹を壊したことはないと思う。1個500ml、約5円。まぁまぁ安いので、、ガーナ人もよく飲んでいる。角をかじって、穴を開け、そこからちゅーっと飲みます。
③ アイスウォーター
普通のポリエチレンのビニールに入った水。最も多くのガーナ人が飲んでいると思われるけど、衛生的ではないと聞く。よく頭の上に乗せて、路上で売っている。1個600~700mlくらい?、約1~2円。私はちょっと飲む勇気がない…ガーナに来てから、これはキツイ(><)という下痢をしたのは、まだ1回だけど、できることならもう経験したくないのしね。
④ 水道水、井戸水、川湖の水
タダ。飲んでいるガーナ人もいるけど、きっと日本人が飲んだら、ただの下痢ではすまないと思う。北部の方ではギニアウォーム(汚染された水を飲むことによって、虫が体の中に入り、皮膚を突き破って出てくる)という病気の原因にもなったりしている。
あ、でも歯磨き、コンタクトの洗浄、食器洗いには使ってます。ってことは、意外に大丈夫だったりするのかしら…いや、でもそんな冒険はできません。。
今週はなかなか思うようにいかないことも多く、ちょっとイライラすることの多い1週間だった。
日本だったらまず有り得ないでしょ!?って思うことも、この国では有り得てしまう。まぁ、計画通りいかなくて当たり前の国にいるんだから、仕方ない。イライラした者が「負け」という気もする。
早く慣れたいなぁ。。
今週は乳児健診にも参加。特にそこで何をしたというわけでもないけど。
結核、ポリオ、破傷風、百日咳、ジフテリア、インフルエンザ、破傷風、肝炎、麻疹、黄熱病の予防接種が行われている。病院で行われるのは週1回。病院に来られない人のために、週に1回管轄コミュニティーを回り、そこでも行っている。
乳児健診↓ 予防接種↓
この日生まれたばっかの双子ちゃん↓
出産して、その日もしくは次の日には帰ってしまうので、生まれたその日にBCGなどは予防接種をするらしい・・
そして今週は初めて、ガーナのお産も見た。
病院でお産できるのは、きっとごく一部で、多くは自宅出産と思われる。
こっちのお産は日本人のお産に比べて、進行がスムーズな気がした。ガーナ人の体が日本人ほどなまっていないからなのか、息む力が強いからなのか、たぶん両方だと思うけど。
一番衝撃だったのは、赤ちゃんの処置。
この時生まれた赤ちゃん、あまり状態が良くなかった。日本だったら、NICU(新生児集中治療室)へ搬送になるだろうなと思わせるケースだった。羊水混濁++。
生まれてきても、全然泣かなくて、全身チアノーゼで紫色だった。そんな状態なのに、生まれてしばらく放ったらかし。5分くらいして、ようやく吸引、酸素投与を始めた。それでも全然泣かない。私一人、一生懸命赤ちゃんの背中や足裏を叩いて刺激していた。呼吸はし始めていたが、しばらくして伸吟と鼻翼呼吸が顕著に。しかし、他のスタッフは伸吟を「泣いた」と言って、みんな何処へ。。
違うって!!!!!
苦しがってるんだよ、これは!!!!!
私一人残されたけど、このまま赤ちゃんを放ってはおけないので、酸素投与量を増やし、ドレナージと吸引を続けた。チアノーゼが四肢のみになってきたので、そこからは病棟にいたスタッフに任せてVCTに戻った。
数時間後、赤ちゃんの様子を見に行ったら、きれいなピンク色になって母親に抱っこされてたので、とりあえずホッ。
これが、ガーナのやり方なのか。こんな状態で放っておいても、大丈夫だからみんな何もしないのか。それとも、それで状態が悪くなってしまったら、この子はダメだったね・・で済まされてしまうのか。
日本の医療って過保護すぎるんだろうか。
それともアフリカの赤ちゃんはたくましい?
わかんないなぁ・・
ガーナにJOCVが入るようになって、今年がちょうど30周年ということで、8/17,18は首都アクラでイベントが行われた。
エイズ対策隊員で展示会を行ったり、日本文化紹介ということで、たこ焼きや焼き鳥の露店、紙芝居、ごみ拾い運動など実施。
私はほとんど準備にも関わっていないので、当日ちょっとお手伝いした程度やけど。
HIV・AIDSのシンボル「レッドリボン」
来訪者に小さなレッドリボンを作ってもらい、みんなで大きなレッドリボンを作ってもらった↓
紙芝居↓
約1週間のアクラ贅沢生活を終え、19日に帰宅。
イベントにテレビが取材に来ていたらしく、Nkawieに帰ってきたら、近所の子ども達が“I saw Ayaka on TV yesterday!!」と大騒ぎだった。